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第29話:介入権で取得したアパート——再建築不可×築40年超でも融資を引けた話

前回の続きです。介入権を行使し、裁判所の認定価格で借地権と建物を買い取ることになりました。

その後、実際にどう取得し、どう活用したのか——具体的な手続きと判断の流れをお伝えします。

借地権は「混同」で消滅した

地主である私が、自分の土地の上にある借地権を取得した結果——

底地(地主の権利)と借地権(借地人の権利)が同一人に帰属することになりました。

民法上、これを 「混同(こんどう)」 といい、借地権は自動的に消滅します。残ったのは、完全所有権としての土地+建物です。

長年もめてきた借地権の問題が、ここでようやく決着しました。

アパート付の土地建物が安く入手できた

物件は再建築不可・築40年超という条件のため、裁判所が定めた買取価格も比較的抑えめでした。結果として、手の届く価格で取得することができました。

ただし、手持ち資金だけでは足りず、ローンを組むことにしました。

銀行探しに苦労した

問題は融資先選びです。この物件には以下の特徴がありました。

この2点が重なると、多くの銀行は融資に消極的になります。担保価値の評価が難しく、貸し倒れリスクが高いと判断されるためです。

複数の銀行を回り、ようやく融資を引き受けてくれる銀行を見つけることができました。

融資条件

金利は高くても、返済期間が長く取れたことで毎月の返済負担を抑えることができ、キャッシュフローを確保できました。

個人名義で取得→建物のみ法人名義へ

物件は個人名義で取得しました。融資契約も個人で結んでいます。

その後、建物部分のみ個人から法人に売却し名義を法人に変更しました(税理士・銀行の了解済み)。

なぜこの形にしたのか

理由は明確で、法人の売上をもっと増やしたかったからです。

このスキームには以下のメリットがあります。

メリット 内容
法人の売上UP 家賃収入が法人計上になり、事業規模を拡大できる
減価償却を法人に 古い建物の減価償却を法人の経費として活用
個人から法人へ地代 個人にも地代収入が入り、法人の経費にもなる
将来の相続対策 建物を法人に移すことで個人資産を整理しやすい

ただし、所有権移転には不動産取得税・登記費用などのコストもかかります。これは事前に税理士と相談して試算しました。

銀行の承諾は必須

ローンが残っている物件の所有者を変える場合、抵当権者である銀行の承諾が必要です。今回は事前に銀行と相談し、了解を得た上で進めました。

無断で所有者を変えると契約違反になるため、ここは要注意ポイントです。

結果:法人3棟、個人1棟体制へ

この一連の流れを経て、私の保有体制は以下のようになりました。

長期にわたる借地権トラブルが、最終的には保有資産の拡大と法人化の推進につながった形です。

まとめ|トラブルを資産形成の機会に変える

ポイント 内容
混同による借地権消滅 底地と借地権が同一人に帰属すると借地権は消滅
再建築不可・築古でも融資は可能 銀行探しは大変だが、高金利・長期返済なら引ける場合がある
個人取得→法人移転 銀行承諾の上で、建物のみ法人化するスキームも可能
税理士の試算が大事 不動産取得税・登記費用などのコストを事前に把握

トラブルそのものは決して歓迎すべきものではありませんが、選択肢を知っていれば、ピンチをチャンスに変えることもできます。

なお、実はまだ兄弟との共有名義の底地が1箇所だけ残っています。こちらの解消については、次回お伝えします。

読んでくださった方の中で、似たような状況に直面している方に少しでも参考になれば嬉しいです。


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